インド紡績アパレル業界が新興市場に転戦

長年にわたり、インド紡績工業は米国と欧州への輸出を通じて国際市場での地位を確立してきた。しかし、2008年以降、欧州市場の景気低迷が続き、インド紡績工業も影響を受けている。外部市場の競争力を強化するため、インド政府はここ2年間、新市場開発を強化する一連の措置を実施してきた。現在、バングラデシュ、中国はインドの紡績衣料品の新興輸出先となっている。

ジュネーブ世界貿易情報局が提供したデータによると、2008～2009年度にはインドの綿紡績品（糸、布、完成品）の欧州と米国への輸出が60%以上を占め、現在は45%を下回っている。世界の他の国や地域（米国や欧州以外の市場）は、バングラデシュ、中国、スリランカ、韓国など、インドの織物輸出の新興市場になりつつある。業界関係者は、欧米経済の低迷が続いている時期に、アジアの他の国の消費市場はインドの織物衣料の欧米市場での衰退を補っていると指摘している。

2010～2011年度、インドの織物は欧州と米国に約30億ドル、世界の他の地域と国に37億8200万ドルを輸出し、2年前の輸出20億2600万ドルをはるかに上回った。ニットウェアやアパレルアクセサリーも同様の傾向を示しており、インドの欧州市場への輸出は2年間で約21億5300万ドルに減少し、他の新興市場への輸出はむしろ増加している。この2年間、インドの衣料品の米国市場への輸出は低下していない。しかし、一部の小さな市場での輸出規模は大幅に増加し、アラブ首長国連邦への衣料品輸出は2年前の3億6800万ドルから5億1100万ドルに、オーストラリアへの輸出は1500万ドルから3200万ドルに、ジブチへの輸出額は無から1300万ドルに増加した。

インド紡績企業のトップは、主要市場の需要悪化はインドの620億ドルの紡績工業に打撃を与えただけでなく、インドが世界市場の低迷期に競争力を失う可能性があると述べた。インドの輸出促進機関TexprocilのSiddharth Rajagopal氏によると、アジアの内部貿易は増加傾向にあり、これらの国の消費の勢いはますます盛んになるだろうという。「現在の情勢の下で、インドの紡績業は欧米市場の需要低迷の圧力を緩和するために、新たな市場の開発にさらに力を入れ、輸出市場を多元化する必要がある」とSiddharth氏は述べた。(